「どうして僕が此処に居るのか分からない、って顔してる」

「あ、はい……」

二次会に行かないのだろうか。そう思ってたら、ちゃんと合流するよ、とまるで千秋の考えを読んだかのように砂本は言った。

「何時も綾城さんは居なくなっちゃうからね」

こういう風にでも捕まえないと、と砂本さんは続けた。

「何時も一次会で帰るのは、本当におうちが厳しいの? でも、だったらこんなところに来てないよね?」

それはそうだ。別に家の門限はそこまで厳しくない。ただ、賑やかな人たちと一緒に居ると、息が出来なくなってしまうだけなのだ。

「飲み会が嫌い?」

好きか嫌いかと二択で尋ねられると、苦手な方だ。黙ることで返事をする。

「じゃあ、僕が苦手で二次会に来ないわけではないんだね?」

そこで、何故砂本さんのことが出てくるのだろう。不思議に思ってやはり頷くと、砂本さんは安心したように微笑ってこう言った。

「じゃあ、僕と付き合って、って言ったら、前向きに考えてもらえるのかな」