天界には神々が住んでいる。
 神々は現世に住まう人々を見守っている。
 彼らは決して、自らの手で現世に関わることはしない。
 大自然を司る彼らは、時に天災を起こして試練を与えることもある。
 結局は彼らの気まぐれに、人々は振り回されることになるだろう。
 人々はそれに従うのみ。
 なぜなら神々は至高の存在であり、人ではたどり着けない遠い場所にいるのだから。

 ただし、遠く離れた場所にいるとも、関わりがないわけではない。
 神は自らの権能を知らしめ、人々に信仰心を抱かせ導くための代理者をたてる。
 器となった者は神の御業の一部を授かり、代行者として他の人々を救い、導くだろう。

 その中の一人に『聖女』がいた。
 正しき心と、清らかなる身体。
 穢れなき魂を持った乙女は、神の導きを受ける。
 主たる神に祈りを捧げることで、様々な奇跡を起こすことが出来る。
 故に、聖女は絶大の信頼と敬意をもたれる。
 例え聖女に選ばれた者が、貴族であろうと村娘であろうと。

 しかし、信頼は無条件ではない。
 神の器と言えど、元を辿れば同じ人の子であることに変わりはない。
 様々な思惑や変化によって、信頼は簡単に失われる。

あらすじ

天界の神々は、自らの権能を知らしめる代行者をたてる。その一人が『聖女』だった。イタリカ王国には、百年に一度の周期で聖女が誕生する。しかし、今回の聖女は一人ではなかった。長女アイラ、次女カリナ、三女サーシャ。後に聖女三姉妹と呼ばれる彼女たちは、パルプード大聖堂にて日々努めを果たす。そんな日の終わりは突然やって来た。聖女が三人なんておかしい。一人が本物で、二人は偽物だという噂が流れだす。



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