俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜

曖昧に誤魔化すのは不正解

★★★







「復讐って……」



まさかとは思っていた。



《私達は何も奪われず、あいつを殺る。ただそれだけだから》



でも、他人の口からはっきりと言われると、改めてリアルになり、思い知らされる。

なずなが、父親を奪った、あの黒い翼の彼に復讐。

そんなことを考えているかもしれないなんて。



「な、何で…なんで、そう思えたのですか…なずなが、なずなが皆んなの意に反して復讐を考えてるなんて……」



わかっているのに…疑問を返すあたり、俺はどうやらこの事実を否定したいらしい。

『復讐』という物騒な二文字を、なずなが考えてるなんて。

そんな俺の切実な一言に、店内は静まり返ってしまった。

と、思われたが。



「なずなサンが、ではなく。正確にはなずなサンとボス。…剣軌サンなんですけどね」



そう口にしたのは、今まで沈黙を保っていた玲於奈だった。



「むしろ現在、密かに行動に移してるのは、剣軌サンじゃないでしょうか。なずなサンは同胞として唆されている可能性がありマス」

「菩提さんが…?」


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