マリオネット★クライシス
第11幕 「遅くなってごめん」


「っ、けほっ……」


痛っ……


お腹、痛い……


ここ、どこ?
わたし、どうして……


薄く瞼を開けると、見覚えのない白い天井が映った。

少し手足を動かすと、柔らかく乾いた感触――ベッド……?



「気が付いた?」


男の人の、声……

ハッとして飛び起きようとしたんだけど、鳩尾に刺すような痛みが走り、身体を丸めて転がってしまった。


「ごめんごめん、ちょっとだけ痛むかなぁ。アザは残らないと思うけど」

近づいてきたのは、見覚えのある大柄な男――ADの彼だ。


刹那、倒れる前の出来事が一気に蘇った。


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