元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
婚約破棄した翌日に街に繰り出すことになりました

次の日。

私とリアムの婚約が破棄された事実は瞬く間に広まっていった。

それもそのはず、コックス公爵家もビクター伯爵家も古くからある由緒正しいお家柄。

婚約破棄の理由(公爵があろうことか婚約者の従姉妹と浮気)をとっても、ゴシップ大好き、噂大好きな貴婦人方にとっては格好のネタとなったことだろう。

日頃から親交のある令嬢たちからは、慰めの手紙が届いたが、そのうち半分以上は噂の事実を知りたい野次馬みたいなもんだ。


…しばらくはお茶会や夜会への参加は控えたほうがいいわね。

私は自分の部屋のベッドに横になり、小さくため息をこぼす。

貴族の集まりに出たが最後、根掘り葉掘り真実を聞くまで解放されないだろうから。

それに、私にだって頭を整理する時間が必要だ。

小さい頃から、リアムと結婚するんだと思って作法や礼儀を学び、慎ましやかな妻になるための教育を受け、生きてきた。

しかし、その相手が一瞬のうちにいなくなったことで人生が一変したと言っても過言ではないのだから。


…まぁ、私が望んだことなんだけれど。


これからどうしようかしら。



< 11 / 318 >

この作品をシェア

pagetop