幼なじみにつきまとわれています

♯2 いちごとクレープ



7月の期末テスト最終日の放課後。


長かったテストが、ようやく終わった。



「乃々ー! 帰りに、新しくできたクレープ屋さん寄ってかない? テストでめっちゃ頭使ったから、糖分補給しなきゃ」


帰りのホームルームが終わると、クラスメイトで友達の杉元(すぎもと) 瑠花(るか)ちゃんが声をかけてきた。


「いいねー! 行こ行こ」


わたしは昇降口でローファーに履き替えると、瑠花ちゃんと駅前へと向かって歩きだす。


瑠花ちゃんと他愛もない話をしながら歩いていると、あっという間に目的のクレープ屋さんに着いた。


赤と白を基調としたお店の外観は、すごく可愛い。


新しくオープンしてまだ日が浅いからか、お店の前には行列ができていた。


「並ぼうか」

「そうだね」

わたしは、瑠花ちゃんと最後尾に並ぶ。


今日は日差しが強く、立っているだけで汗が流れる。


並んでいると、しばらくして……


「お兄さんも買いに来たんですか?」

「お兄さん高校生? すごくかっこいいー!」


後ろから、複数の女の人の声が聞こえてきた。


< 11 / 38 >

この作品をシェア

pagetop