コンチェルトⅡ ~沙織の章
3

結婚してからの 幸せを考える時 

沙織は 智之と麻有子を 思わずにはいられない。


智之と麻有子が 結婚してから 家族の絆は より深くなった。


そして 紀之達の生活も 一層 賑やかで楽しくなった。
 


結婚前の智之は あまり 家族と係らなかった。


松濤の家で 沙織達に会っても 

感じの良い挨拶をし それ以上は 踏み込んでこなかった。
 

「智之さんと二人で 遊びに行ったりしないの?」

沙織が紀之に聞くと、
 
「しないね。仕事も違うし 共通の話題が ないからなあ。それに俺達、お酒飲まないから 間が持たないんだ。」

と紀之は苦笑した。
 

「そうなの。私、同性の兄弟って 羨ましかったな。」

沙織が言うと
 
「小さい頃は 一緒に遊んだけどね。」

と紀之は 少し寂しそうに答えた。


紀之が もっと深く 智之と 付き合いたいことを

沙織は ずっと感じていた。








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