捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
8.未来へ向かって



こうして、私と奏士さんは交際することとなった。
皆、このことをとても喜んでくれた。由朗、沙織さん、功輔さんは「やっとか」と笑ってくれた。奏士さんのご両親とお兄さんの隆士さんも納得してくれた。

「奏士は小さい頃から里花ちゃんを大事にしてたからな」

挨拶に行ったとき、隆士さんは笑って言った。

「里花ちゃんと再会したって聞いたときから、こうなる気がしてたよ」

奏士さんのご両親も言う。

「結婚ではつらい想いをしたそうだね。我が家はそういったことについてはまったく気にしない。今後は奏士が責任もって幸せにするからね」
「そうよ、他ならぬ里花ちゃんですもの」

幼い頃から親戚のような付き合いをしてきたせいか、ご両親もお兄さんもとても寛容だ。
安心したような、より責任が増したような……。
会食をして帰り道、奏士さんが送ってくれる。

「言った通り、うちの家族は大歓迎だっただろ?」
「うん、よかったなあって思ってる」

少しずつ口調もくだけたものにしている。子どもの頃みたいに。だけど、彼の要望通り「そうちゃん」と呼ぶのは、さすがにこの年齢だと恥ずかしいので、たまににさせてもらっている。
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