捨てられ妻の私がエリート御曹司に甘く娶られるまで
6.半年が過ぎて



午前中、宮成商事総務部のオフィスは忙しい。今日は来客の取次多く、応接室、会議室の準備、お茶だしなどの対応に追われている。社内の提出書類の締め切りも今日なので、取りまとめをしている私は、あっちもこっちも仕事だらけでバタバタしていた。
宮成商事の総務部は総勢十名。二名の女性社員が交代で受付業務をし、他のメンバーはそれぞれ総務業務、渉外業務、人事業務、内部監査業務などを担う。それなりの規模の会社としてはかなり少数精鋭だ。ひとりひとりの仕事が多い。
しかし、宮成商事は由緒ある企業でありながらも、ほどよくアットホームな会社だと私は思っている。今の総務部も、皆仲が良く、他の職群でも手伝い合って業務を進めているのだから。

「姉さん」

世話しない空気のオフィスに入ってきたのは由朗だ。スーツのジャケットの営業バッグ、これから外出といった雰囲気だ。

「悪い、姉さん。夕方から夜の社長のアポイントをずらしてもらえるか? 詳細メールしてあるから」

由朗は社長である父の補佐をしている。肩書は専務だけれど、ほぼ秘書のような仕事だ。

「ええ、さっき送ってくれたメールを見たわ。十七時に大宮で打ち合わせ終了、十八時にエヴァンス国際ホテルだと少しタイトね」
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