凄腕パイロットの極上愛で懐妊いたしました~臆病な彼女を溶かす溺愛初夜~
光の粒
 
 入籍を済ませた二ヶ月後の十二月頭。私たちは大急ぎで準備をして挙式披露宴の日を迎えた。

 こんなタイトスケジュールになったのにはいくつか理由がある。

 本来であれば日程に余裕を持たせたいから、お腹が目立たないギリギリの妊娠七ヶ月くらいまでひっぱりたかった。しかしちょうど年末年始にあたり、パイロットとグランドスタッフの私たちはのんびり式を挙げている場合ではなかったのだ。

 かといってこの時期を逃せばお腹はもっと大きくなり、母子ともに負担がかかるので……。

 妊娠六ヶ月に入ったお腹はぽっこりしてきたけれど、ここ最近マタニティウエディングドレスを多く扱うようになったブランド『HOSHO&CO(ホウショウアンドカンパニー)』にはまだ着られるものがたくさんあり、Aラインの気品があるドレスを着られて大満足している。

 このあとに予定している披露宴ではカラードレスも着用するのだが、それは虹輝さんが『これを着ている菜乃が見たい』と言ったものに即決した。

「すごい光景ですね」

 隣に立つダークグレーのタキシードを着た虹輝さんを見上げた。
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