~狂恋~夫は妻を囲う
「いろちゃん!!」
「へ?」
「右京なんか見てないで、食べよ?洋武が、焼肉弁当買ってきてくれたよ~!」

「え?このお弁当、高いんだよ?
待って!お金払わなきゃ!!食材のお金も! 」
「いらないよ!彩羽」
「え?でも……ダメだよ!」
「大丈夫!ほら、食べな!俺もついでに食べていい?」
「左依くんと右京くんは?」
「用があるんだ!だから、またね!」
「彩羽、またね」
「うん、わざわざありがとう!」

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「あ、そうだ!魁聖」
ソファに座り焼肉弁当を三人で食べながら、洋武が話しかける。
「んー?」
彩羽にべったりくっついて、弁当を食べたり彩羽にキスしたりしながら答えた魁聖。

「さっきの奴等、お前の背中に傷つけた奴等だぞ!」
「は?マジで!?」
「うん、どっかで見たことがあると思ってたんだ」
「あー、思い出した!こめかみに俺も仕返したな!」
「………」
彩羽は何とも言えない気分で聞きながら、黙々と食べていた。

「コーヒー入れてくるね~」
魁聖が食べ終わった弁当を片付けたながら言う。
「え?私が入れるよ!」
「ダーメ!手を怪我してるんだから、無理しちゃダメだよ!」
そう言って、キッチンに向かった魁聖。
彩羽のカップにだけ、睡眠薬を入れた。
「お待たせ~
はい!いろちゃん!」
「ありがとう!」
彩羽が何度か息を吹きかけて、コクンと飲み始めた。
それをフッと微笑んで見届けて、魁聖と洋武が煙草を吸いだした。

「ふぁぁ~~」
「いろちゃん?」
「んー眠くなってきたな…何でだろ?いつもはこんな早い時間に眠くなったりしないのに……」
コトッと魁聖の肩に頭を預けた。

「疲れたんじゃね?変な奴等に絡まれたから」
洋武の言葉に“そうかも…”と呟いて、そのまま眠ってしまった。
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