「彩羽!久しぶり~」
「八重?久しぶり!」
「元気そうでよかったぁ」
「フフ…ありがとう!」
聖子と八重と彩羽は高校の時、特に仲がよく洋武と堅一も入れて五人で行動していた。

「堅一は?今日、来てないみたいだね」
「うん、洋武くんに聞いたら仕事で来れないんだって…」
「そっかぁ。残念ね…」

「…なわけないよね?彩羽!」
「え……?魁聖?」
「まさか彩羽、残念に思ってる?
約束、忘れないでね!」

確実に怒っている━━━━

魁聖が“彩羽”と呼ぶ。
不機嫌の証。

「約束…」

【いろちゃん、約束して?
俺から離れない。
俺以外の男と話をしない。
俺以外の男の話をしない。
破ったら、強制的にご帰宅でーす!
わかった?】

「残念…なんか、じゃ…ないよ……」
思わず、呟く彩羽。
「………彩羽?
………こちらは?」
「あ…旦那さん。魁聖だよ。聖子の弟の…」
「あの魁聖くん?
カッコよくなったねぇ~!
聖子も美人だもんね!さすが美形姉弟ね!
へぇー、弟くんと結婚したんだ!
私はてっきり、堅一と結婚するんだと思ってたから」
「あ…それは━━━━」
「あのさ!」
「え?」
彩羽と八重の話に魁聖が割り込んでくる。

「彩羽の元彼の話、いつまで続くの?
このままじゃ、ご帰宅コースだよ?」
「え?魁聖、やめて!
八重、ごめんね…あ、八重は今何してるの?」
「あ…私も去年結婚して、近くのカフェでパートで働いてるの。今度来てよ!
聖子と洋武夫婦と。
………あ、もちろん!魁聖くんもね!」
「うん!」
「二人で行きまーす!洋武とは嫌!」
「ほんとどうしたの?洋武くんと喧嘩したの?」

洋武の運転でここまで来たのだが、魁聖は洋武と一切目も合わさず口も聞こうとしないのだ。