~狂恋~夫は妻を囲う
「別に~!」
「……??」
「ところで、その洋武夫婦は?」
「あー、あっちでみんなと話してるよ」
「じゃあ、私達も行こ?」
「あ…私達はいい……八重だけ行って?」
「え?なんで?
ほら、青野くんもいるよ?
青王子!相変わらず、カッコいいよね~」
「ほんと、私はここでゆっくりしたいから……」
「………そう?
じゃあ…私、行くね…」

八重の後ろ姿を見守る彩羽だった。

「彩羽」
「ん?」
「姉貴に言って、女だけここに来てもらえば?
女“だけ”なら、話してもいいよ?
まぁ、俺は彩羽から離れないけど……」
「ううん。みんな楽しそうだし。
八重と話したかっただけだから!」
「そう?じゃあ…帰る?」
「あ、そうだね…このままここにいても……ね」
「電車で、ゆっくり帰ろ?
このままデートしてもいいし」
「うん…」

「姉貴ー」
「んー?」
「俺等、帰るー!」
「はぁ?
何言ってんの?まだ彩羽、八重としか話してないじゃん!だったら、彩羽だけ置いて行きなよ!
私と洋武が責任もって帰すから!」

「あ?何?聞こえなかった……」
魁聖の雰囲気が、一瞬で黒く染まる。
「だから━━━━」
ガン━━━━!!!!!
魁聖が傍の壁を殴る。
塗装がパラパラと剥がれ落ちた。

「姉貴ー、よく、聞こえないな……
もういっぺん言って?」
「魁聖…アンタ……」
この場が、凍ってしまったようにみんな固まっている。
「なんか“俺の”彩羽を置いていけって聞こえたんだけど違うよな?
ほんっと、洋武も姉貴もバカだよね~
もっと賢い人間だと思ってたのに、残念だなぁ。
バカは、死ななきゃ治らないって言うじゃん!
いっぺん死ぬ?」

「もう…やめろ!魁聖!」
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