~狂恋~夫は妻を囲う
「ひっ…!!まさか……」
「だったら、証拠みせてあげるよ?
お前の身体使ってなぁ!?」

「嫌!!!助けて下さい!!」
理恵が叫びながら、懇願する。

そんな姿を見ても、魁聖達は誰も何の反応もしめさない。
「キモい」
「確かに、キモいな」
「ママ、せっかく綺麗なのにばばぁみたいだよ?」
「汚ない」
そこに彩羽から着信が入る。

「………あ!いろちゃん!!
もしもし?どうしたの~?」
パッと華やかに表情が変わり、幸せそうに話しだす魁聖。
『魁聖、お願いがあるの』
「ん?なぁに?」
『帰りにお買い物をお願いしたくて……』
「うん!いいよ!何を買って帰ればいい?」
『あ、買ってほしい物は後からメールしておくから、お願いできる?駅前のスーパーなら、24時間営業だから……!ごめんね、お仕事で疲れてるのに……』
「うん!わかった~大丈夫だよ!」

理恵はその魁聖の表情に、再び彩羽に言葉にならない嫉妬を覚える。
魁聖のこんな甘い声、表情……見たことがない。

「魁聖さん!!!お願いします!!助けて下さい!!」
理恵は魁聖にすがり付くように足元に跪き、魁聖の足にしがみついた。

「━━━━━!!!」
『この声……理恵さん…?
嫌!!はぁはぁ……』
「彩羽!?」
「魁聖さ━━━━━」

━━━━━━━!!!!
魁聖はマドラーを素早く取り、理恵の細い首におもいっきり突き立てた。
理恵がこと切れる寸前に見た魁聖は、ある意味人間ではなかった━━━━━
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