「彩羽…お前……そこまで、魁聖に……」

「ごめんね…帰るね!」
彩羽はゆっくり立ち上がり、ドアの方に向かった。
「待てよ!?」
「え━━━━?」
彩羽の手を掴んだ洋武は、そのまま引き寄せソファに押し倒した。

「だったら、最期の思い出に抱かせて?」
「は?」
「どうせ、俺は魁聖に殺される。
だったら、大好きな彩羽を抱きたい!」
「嫌!!やめて!!」

両手を頭の上で押しつけられ、洋武の手が頬から口唇、首、鎖骨……下に滑っていく。
「嫌…!!」
「ずっと…こうしたかった……!
彩羽の身体はどんななのかなとか、どんな甘い声を聞かせてくれるのかなとか……」
洋武の顔が近づき、口唇が重なった。

「ンンン……」
「………ヤバ…癖になる…甘すぎだろ…!?」
「んーんんっ…!
やぁ……やめ…お願い…ひゃぁ…んぁ……」
「もっと聞かせて?
彩羽の甘い声……興奮する……!!」
洋武の口唇や手が、身体を滑り落ちていく。


「嫌!!
嫌ぁぁぁーーーーー!!!!」


ガンッ!!!
ガン!ガン!!
その時、ドアが物凄い音を出しながら揺れ出した。

そして……………
ガン!!!
バン━━━━━━!!!



ドアが破られ、そこには“死神”の魁聖がいた。



魁聖の目に、洋武に組み敷かれた彩羽が映る。
人間ではないような目をした魁聖が、ゆっくり近づいてくる。


「洋武」
「………」
洋武が震えている。
そんな洋武を彩羽は知らない。

これでも洋武は、ヤクザの若頭だ。
震えるなど、あり得ないのだ。

そしてこんな魁聖のことも、彩羽は知らない━━━━