LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
結婚指輪
帰りの電車では、斗希はスーツの上着の内ポケットから、
読みかけの文庫本を取り出したけど。


それを手にしながらも、開く事はなく私に色々と話し掛けてくれた。


主に、また斗希の過去の話なのだけど、
先程の黒いものとは違い、聞いていて楽しくなるものだった。


やはり、川邊専務の名前はよく出て来て、
斗希にとって川邊専務の存在は、切っても切り離せない存在なのだと思う。


私も、また自分の過去を語った。


それも、また黒いものではなく、
明るい事。


子供の時好きだったアニメや、好きな本の話。


親友の可奈との、ちょっとしたエピソード。


そして、気になっていた事を訊いてみた。


「斗希って、やはりA型なの?」


この人の部屋は知らないけど、キッチンの調理器具や食器類だけじゃなく、
冷蔵庫の中も、凄い整って食べ物が入っているので。


几帳面なA型って感じで。


「血液型って本当に性格とかに関係あるのかな?
俺、O型なんだけど」


その意外な答えに、ちょっと驚いてしまった。


私と同じ、O型なんだ。


「円さんもO型なんだけど。
二度目からはきっちり避妊してたんだけど、ちょっと不安だった。
円さんの子供が、三人ともO型じゃなくて、ほっとしたな」


O型同士からは、O型の子供しか生まれて来ない。


実は、ちょっと気になっていた。


円さんの子供が、全員本当に旦那さんとの子供なのか。


私のその気持ちに気付いて、話してくれたわけではないと思うけど。



「結衣は何型?」


「斗希と同じ、O型」


「じゃあ、もし俺達に子供が出来たら、O型か」


子供かぁ…。


このまま斗希と結婚生活を続けるなら、
それも考えないといけない問題なのかもしれない。
< 156 / 288 >

この作品をシェア

pagetop