仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
「私は、出来ればフローラ嬢とふたりで話したいのですが」
「だめよ!フローラがまた泣かされたら可哀想なんだから!」
アリエラが声を張りフローラにしがみつく。
「少しでもフローラを傷つけることを言ったら僕が許さないぞ!」
レオンハルトも前に立ちはだかりユーリスをけん制する。
そんなふたりを見てフローラは困った顔で苦笑い。
嫌われたものだな、とユーリスは小さくため息をついた。
子供たちはやはりユーリスの仮面を怖がり今まであまり近寄ることはなかったのだが、フローラを泣かせてしまった件で決定的に嫌われてしまったようだ。
「レオンハルトさま、アリエラさま、大丈夫ですよ。ユーリスさまはとてもお優しい方なのです。そのように怒ってはユーリスさまが悲しみます」
フローラはしゃがみ込みアリエラとレオンハルトと目線を合わせ優しく言い聞かせた。
どこまでも優しいフローラの姿に心がほんわりと暖かくなる。
彼女はいつでも見た目だけに囚われず真っ直ぐとユーリスのことを見てくれた。
「レオンハルト、アリエラ、ふたりの邪魔をしないと約束したから連れてきたのだぞ?約束を破るのか?」
皇帝が声を掛けるとふたりはバツの悪そうに顔を歪めてぶんぶんと首を横に振った。
ではこちらに来なさいと呼ばれレオンハルトとアリエラは心配そうにフローラを見てから素直に従い皇帝と手を繋いだ。
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