仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う

おまけ〜 Trick or Treat!

「トリックオアトリート~!」
「トリックオアトリート~!」

屋敷の中にかわいい声がこだまする。
キャッキャと駆けていく紫の三角帽とワンピースの魔女姿の黒髪の女の子と黒いマントを纏い吸血鬼の格好をした亜麻色の髪の男の子。
屋敷の使用人たちはそのふたりに出会うと、キャーと怖がるふりをして用意していたお菓子を持っているかぼちゃの籠に入れてあげた。
おかげで籠の中にはお菓子がいっぱい。
うれしくなったふたりは、さてさて次はどこへ行こうと考えた。
「ようし!次はあそこよ!」
決断力の早い魔女の女の子が行き先を決め、吸血鬼の男の子がまってよ~と付いていく。
目的のドアの前に着くとふたりはしー!とお互いに人差し指を口元に持っていき、せーの!と勢いよくドアを開けた。
「「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ~!」」
その声に中にいた人影が振り向いた。
< 199 / 202 >

この作品をシェア

pagetop