溺愛甘雨~魅惑の御曹司は清純な令嬢を愛し満たす~
プロローグ


淡い灯りの中。艶をにじませた奇麗な顔が、まっすぐに私を見下ろしている。

前髪の間からのぞく瞳は情欲に灼け、鋭い光を宿しながら一心に私を見つめている。
私がさらに乱れるその場所を探って。

「んんっ…」

彼がさらに奥深く私を暴く。
鈍い痛みと甘い心地よさに戸惑い、私は声を漏らす。
すると、低く掠れた低い声で、彼が独り言ちるように言った。

「君は嘘つきなのかな…」

眉根を寄せて彼を見やると、私を見つめるその目がすがめられ、しなやかな肢体が覆いかぶさってくる。
思わず固い肩に添えた私の手を彼は両手で掴み、ささやかな抵抗を封じるように枕もとへ縫い留めた。

「…だって、こんなに素直に俺を受け入れている。初めてなのに。…それとも君は、生来、淫らなのかな…」

もっと奥にうずめられ、その充溢感にたまらずのけぞらせた首筋に彼の唇が吸い付く。
甘い刺激が走り身体の芯が熱くなる。
そのまま唇は、ゆっくりと肌をなぞり上げる―――開けたばかりのピアス穴が痛む耳たぶを軽く食み、そして耳孔へ吐息する。「たまらなく綺麗だ」

たったそれだけの刺激に細く甘たるい悲鳴をもらしてしまう私に、彼は吐息まじりにうめいた。

「悪いけど、俺も余裕がない」
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