月日の流れは早いもので、あっと言う間に一年が経った。
 あの日、婚約者ではなくお友達となったレグルス殿下とは、お手紙のやりとりやお茶会など、アルトバロンも交えて友人としての交流を少しずつ続けている。

 そして、主人のピンチを見逃さずに悟り、婚約を見事回避に導いてくれた敏腕従者なアルトバロンとは、ますます良好な関係を結べている。
 ……と、私的には思っている。


 その証拠に、今日も互いの授業や鍛錬を終えた夕食前の自由時間に、アルトバロンと読書の会を開いていた。

 主人と従者ふたりきりの読書の会は、冬になる前から始まった。
 きっかけは、書斎で私が長々と読書している最中も、護衛として室内側の扉付近に立ち続けなくてはいけないアルトバロンの勤務状況に、私が耐えられなくなったせいだ。