粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)
<上条ミイヤの寝室・9時20分>

それに比べて、
冥府の世界の女たちはもっと単純でストレートだ、

わかりやすいのは確かだが・・
味気ない。
女優のみずきも、つまらなかった。

きれいなのはいいが・・
整形で、みんな同じ顔に見える。

瞑王は一人でうなずきながら、
女物の浴衣(ゆかた)を脱いでハンガーにかけた。

「人とは面倒くさいな」
と言いながら、衣服を身に着けた。

寝室から出て、
リビングのテーブルの前に立った。

1LDK・・405と同じ作りだ。

部屋のそこかしこに、小さな花が生けてある。

床には
鉢植えのポトスだけではなく、
その他の観葉植物が、
部屋の片隅や窓際に置いてある。

そして大きな本棚には、
国語の参考書や、中学校の教科書が
びっしり並んでいる。

この部屋の住人が、勉強家であることを示していた。

台所もきちんと片づけられている。

冷蔵庫には
ごみ回収の分別プリントが、
猫の形のマグネットで止めてあった。

瞑王は手を頬にあてて、
それを熟読した。
「こんなルールがあるとは・・
知らなかった・・」

リビングの大きなテーブルには
置手紙があった。

目を通すと内容は理路整然として、書き文字は美しい。

この部屋の主は一人暮らしで、
こぎれいに暮らしているが・・

男の入り込んでいる気配はない。
はずなのだが・・・
眼鏡をかけて部屋を見渡した。

別の気配・・・
瞑王は眉をしかめた。
「さて、そこの座敷童!!」

瞑王が部屋の角に視線を向け、
声を響かせた。


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