劇薬博士の溺愛処方

* 3 * 勃たぬなら、勃たせてみせよ、薬剤師




 大倉琉が日下部三葉を見初めたのは彼女が病院の調剤室に配属されたときだ。
 ヒールを履いているわけでもないのに高い身長とすらっとした手足。
 清潔感漂うショートカット。涼しげな一重のまぶたに野イチゴのような口唇。
 しわひとつない白衣を着こなす凛とした姿は、女医に間違われてもおかしくないくらい似合っていた。
 大学を出たばかりで必死になって仕事をこなしていた彼女を振り向かせたくて、一目惚れだと騒ぎながらアプローチしてようやく恋人の座を手に入れた。
 けれど彼女からしたら、琉のような強引な男性は迷惑でしかなかったのかもしれない。一緒にいれば笑ってくれたし、セックスの相性も最高だった。仕事で忙しいからそれ以外の時間は傍にいたいと思うのは自然なことだと考えるほどに夢中になった。
 前の彼女もショートカットの薬剤師で美人だったが、ブランド狂で、琉よりも琉の財布を当てにしていたしょうもない女だった。これ以上お金は出せないと言ったら、あっさり別の男に走っていって、泥沼の不倫関係に陥っているとかいないとか……どっちにせよ、琉には関係のない話だ。
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