劇薬博士の溺愛処方
~後日譚編~ 誰が為の自慰

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 いちどは恋人の琉と距離を置きたいからと黙って職場から姿を消した三葉だったが、追いかけてきた彼に絆され、元サヤに収まって半年。

 ――今日も彼女は新宿広小路薬局で逞しく夜のおともに精力剤を売り付けている。
 
 
   * * *
   
   
「今日こそ抱くからな! 覚悟しろ!」

 金曜日の夜になると病院勤務を終えた恋人の大倉琉が、恋人の勤務する薬局に立ち寄り、ポテンシャルをあげるためにドリンク剤を購入してから歌舞伎町のラブホでハッスルする、という流れはいつしか当たり前のものになっている。
 とはいえ、三葉が生理のときや琉が仕事でへとへとに疲れているときはラブホに入ってもセックスせず部屋で流れている陳腐なアダルトビデオを鑑賞したり、おおきなダブルベッドに転がって惰眠をむさぼったり、と以前よりも穏やかな週末を過ごすことも増えてきた。
 だが、琉からすると、それはすこし物足りない状況らしい。
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