秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない

加速する気持ち

アウトレットに行く約束をしたが少し遠いため早めに出発しようと約束をした。

俺が迎えに行くと真帆はマンションの前に立って待っていた。

「おはよう。いい天気だな。暑いから外で待たなくても良かったのに。早く乗って。」

「おはようございます。おじゃまします。」

真帆はカゴバックとは別に紙袋を持っており何だか荷物が多かった。
その理由はすぐに分かった。

「雅臣さん、朝ごはん食べました?」

「いや、朝早かったからまだ。行きがけにどこかに寄ろうかと思ってた。真帆は?もう食べた?」

「ううん。もしかして雅臣さんもまだかなって思ってサンドウィッチ作ったんです。この前は家で朝ごはんをご馳走になったしお礼に、と思って。一緒に食事に行った時は嫌いなものなさそうかなって思ったんですけど…。」

「あぁ、嫌いなものはないよ。サンドウィッチだなんて嬉しいな。」

「夏休みだから高速も混みますよね?食べながら行きませんか。アイスコーヒーも持ってきましたから。」

「真帆、凄いな。俺、感動してるよ。」

「大袈裟です。」

「ハハハ。ひとまず車を出すよ。」

「お願いします。」

助手席に座り、ドリンクホルダーにアイスコーヒーを置いた。

「ブラックです。大丈夫でしたよね?」

「あぁ。コーヒーはブラック派だ。頂いても?」

「もちろんです。」

蓋の一部をあけて手渡すと運転しながら雅臣さんは飲んでくれた。

「美味しいな。これどこの?」

「うちで作った水出しコーヒーなんです。夏になるとさっぱりするので私は切らさず作ってます。簡単なんですよ。」

「へぇ。すごくスッキリしてる。」

「サンドウィッチもどうぞ。ありあわせですけど。」 

「卵サンドと生ハムと野菜のサンド、どっちからがいいですか?」

「卵からかな。」

私は包み紙を開けて持ちやすいようにした。
それを手渡す時に思い出した。

「ごめんなさい、クロワッサンで作ったからボロボロして車を汚してしまうかも。良かったらこれをひいてください。」

「車のことなんか別にいいよ。」

「ごめんなさい」といいながら手渡した。
雅臣さんはすぐに受け取ってくれかぶりついてくれた。

「美味しい!」

「良かったです。」

「次もちょうだい。」

「もうですか?」
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