スペシャル企画 儚く甘い 番外編追加しました
元カレと再恋愛ってありですか?
店の厨房からよく見える位置に視線を送る。
そこには愛する妻が仕事がしている姿が見える。

忙しいランチの時間が終わり、夕方からの仕込みを始めながら俺は何度も妻の方に視線を送った。

どんなに忙しい時間でもこうして妻から目を離さないのは、義務感でも、責任感からでもない。
ただただ愛しい妻に視線が勝手に向いてしまう。

心のどこかには常に感謝の気持ちもある。

妻が俺を送り出してくれなければいま、シェフとしての俺の人生はなかった。
きっとどこかの会社員でもしながら、ありきたりな人生を送り、諦めた過去に縛られたままで過ごしていただろう。

でも、妻が俺の背中を押してくれたから、こうして俺は夢をつかむことができた。

愛する紗耶の支えがあったから今の俺がある。
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