✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
《今どこ?》


「……中部国際空港」


《はあっ!? マジか……》


答えるなり特大溜息返却後、しみじみと呟かれた。


「だって雨の沖縄で独りきりじゃ……それに」


《別に責めてない。説明しなかった俺が悪い。……那覇で仕事だったんだよ》


「えっ!? じゃあまだ沖縄?」


私は、名鉄の改札前で呆然と立ち竦んだ。


《ああ。全然繋がらないからな~んか嫌な予感して、那覇からヴィラに問い合わせたらチェックアウト済み。……俺の荷物置いてな》


「え!? 」


私は、立ち竦んだままガックリ肩と首を落とし気付かずにいたのを悔やんだ。


《あそこは、いたたまれなくて他に移ったかと思ったけど……そうきたか》


「ごめん! 今から戻る! 即行戻る!」


私は、即Uターンしてトランクを引き必死に走り出した。


《バカ、もう便ねーよ》


私は、低く呆れた声に再び立ち止まり、すぐ横の丸く太い柱に力無く寄りかかった。


《残念だがSweet Nightはお預けだな。……悪い、着信。またな》


「あっ! ……はあっ!」


次は、私が特大溜息を吐き、超泣きたい気分で再び改札にUターンをした。
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