✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
「超早いな」


「……出掛ける予定だったの」


いつもは、カジュアルスタイルが定番なのに、お洒落なグレーのウィンドウペンチェックジャケットに白シャツ、ネイビースラックスでスマートに決めた装いがあまりに素敵でボーっと見惚れてしまった。


「へぇー……空港に?」


ズバリ図星に口を噤むと、朝陽君はドヤ顔で私の左肩を抱き寄せ耳元に唇を寄せた。


「出口で忠犬ハチ公みたく待ってるかもって期待した」


超からかい眼で見下ろす顔が悔しくて掌で顔を避けると、素早く唇を奪われ焦って周囲を見回した。


「……ちょっと! フランス人じゃあるまいし」


「俺、四分の一フランス産。爺さんがフランス人だからDNAに組み込まれてる」


この美貌は、国産+フランス産。

クウォーターとは納得!


「莉子は、生粋の国産だな」


「どうせ平面的な顔です」


「……カラダもだろ?」


もう! 内面は、国産で小学生の好きな子いじめ?

プイと顔を背けると、背後から肩周りをキュッとされ左から楽しげに覗いてきた。


「でも莉子は、そのままでいい」


私は、照れくささに膨れ面で腕を外そうとするけれど、ギュッと力を込められビクともしない。
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