【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!
◆両想いって奇跡みたいです
それから一時間以上がたった。


何度かドアを叩いて助けを呼んでみたけれど、いつの間にか部活の時間も終わってしまったらしく、倉庫の周りに人の気配はない。


真っ暗な中、不安で心細くて、また涙が出てきそうになる。


私、このままどうなっちゃうんだろう……。


だけど、こんな時でも頭に浮かぶのは、楓くんのことで。


今までなら、こういう時は楓くんが必ず助けに来てくれたんだよね。


いつだって彼は、私がピンチの時、真っ先に飛んで来てくれた。


私のことを全力で守ってくれた。


それなのに私は、あんなことを言ってしまって……。


楓くん、今頃由良ちゃんと楽しく放課後デートしてるのかな。


私がこんな場所にいるなんて、気づくわけがないよね。


本当なら、今日こそは楓くんに謝るつもりだったのに。


ちゃんと気持ちを伝えようって思ってたのに。


どうしてこんなことになっちゃったのかな。私のバカ……。


楓くんに会いたい。会いたいよ。


いつもみたいに、助けにきてほしいよ……。



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