愛しの彼に溺愛~石油王の場合~
愛あるお仕置き ー アキside
バーのマスター鈴子という人から電話がかかってきた時は肝が冷えた。

オネェだろうがなんだろうが、俺の弥生に心を許されてると思うとイライラする。

前の俺はこんなんじゃなかった。
全部弥生と出会ってからだ。

来なくてもいい日本に頻繁に来て、アプロ―チもして…。
なのに弥生は何も覚えていなかった。

俺との出会いも…!

くそ。
気持ちよさそうに寝やがって。


「…俺との結婚は嫌だったのか?」


不安からか独り言のように呟いてしまう。

とりあえず俺の家に運んでから問いただそう。

酒が入ってる今しか本音を言ってくれなさそうだからな。

お前がどんな不安を感じようと、
俺はもうお前を手放す気は毛頭ない。


「家に着いたら覚悟しとけよ」


自分自身への怒りと焦りを吐き出すようにそう呟いた。
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