暴君王子の恋の瞳に、私は映らない




私の首筋に、冷汗がタラり。




鞭光君は、そんな私の心内も

クラス中の女子の視線も、気にも留めず


尖った目を、私に突き刺してくる。





「なにが、みんなには内緒だよ!」



だって、そういう約束だったでしょ!




「オマエが、春輝、春輝って。

 他の男の名前を連呼してるのが
 いけないんだろうが!」



「だからって……」



私達が付き合ってるって

なんで言っちゃうかな……



望愛ちゃんと雨宮君以外には
黙っててくれるって

約束してくれたのに……





……って。



そもそも、付き合ってないし!


私はただの、嘘カノだし!


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