暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
「むち君と付き合ってるなんて言ったら、
学校中の女子から
つぐみさんが睨まれちゃうでしょ!」
望愛ちゃんは
普段のユルっと優しい目を、キッとつり上げ
「私だって、睨まれちゃうのが怖くて。
雨ちゃんと付き合ってること、
誰にも言えないんだからね!」
必死に、私を庇ってくれている。
ほんと、心が清らかな、いい子だなぁ。
「むち君、つぐみさんに謝って!」
「は? なんで俺が謝るんだよ!」
「むち君が、ばらさないって約束を
破ったからでしょ!」
「そのことは、悪かったって言ったろ?」
「心がこもってない謝罪は、
ノーカウントなんだからね」