暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
嘘彼と初登校
○ ○ ○
次の日。
鞭光君が私のアパートまで
本当に迎えに来てくれた。
肩を並べ、一緒に高校へ向かう。
長い石段を降りきったタイミングで
私は、鞭光君に笑顔を向けた。
「むちみつ君のお姉さんに借りたワンピース。
昨日クリーニングに出したから、
月曜日にはお返しできそうって、伝えてくれる?」
「あのワンピ、
オマエにやるって言ってたぞ。姉貴が」
「へっ? も…、もらえないよ。
高級そうなブランド服なんて」
「あの服、2万って言ってたな」
「に、……2万……円?」
次の日。
鞭光君が私のアパートまで
本当に迎えに来てくれた。
肩を並べ、一緒に高校へ向かう。
長い石段を降りきったタイミングで
私は、鞭光君に笑顔を向けた。
「むちみつ君のお姉さんに借りたワンピース。
昨日クリーニングに出したから、
月曜日にはお返しできそうって、伝えてくれる?」
「あのワンピ、
オマエにやるって言ってたぞ。姉貴が」
「へっ? も…、もらえないよ。
高級そうなブランド服なんて」
「あの服、2万って言ってたな」
「に、……2万……円?」