暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
幸運期
〇 〇 〇
それから二週間。
嘘彼との恋愛運は好調。
友達運は最高潮。
占いは見ていないけれど
そう書いてあると思うくらい、幸せな日々。
鞭光君ファンにいびられることも
『暴君王子を返して』なんて
奪還作戦を遂行されることもない。
むしろ、女友達との距離が
以前よりもグッと縮まっていて
「つぐみ!
アミュ4人のインタビュー雑誌、一緒に読も」
「つぐちゃん、お願い。
ゴミ捨てに一緒に行って。
サッカーの試合を見に行った興奮話、聞いて欲しいから」
「ライブ直前なのに、喉枯れしちゃった私のこと。
つぐみなら、体調管理がなってないって叱らずに、
甘やかしてくれるよね?」
『友情モテ期が……到来?』
そう錯覚しちゃうほど
私の周りに、友達が集まってくる。