暴君王子の恋の瞳に、私は映らない
「オマエの洗脳、俺が解いてやるから」
「……」
「ほら。俺ん家に行くぞ」
「……うん」
夕日色に染まる、彼の瞳。
ドSと優しさを溶かしたような
異様な輝きを放っていて。
見惚れてしまう程、綺麗な瞳で。
絶対に、鞭光君のことを、好きにならない!
そう思っていたはずなのに……
私はこの瞬間
暴君王子に、恋をしてしまった。
嫉妬で心がえぐられる、苦しい日々が
始まるとも知らないで。