りんじん彼ジョ。～隣のお姉さんに襲われました～大人女子×専門学生

ほっとけない存在

「リク。タバコ1本ちょーだい」


「しょうがねーなぁ」


リクはタール値が高い濃い目のタバコを好む。
ゆっくりと吸い込んで吐けば、ベランダから煙が広がった。


普段はもっと軽いメンソールタイプが好きだけど、時々こういう濃いめのモノが欲しくなる。
マジでタバコって中毒性あるよな、なんて酔っ払っている頭が落ち着いてくる事に呆れた笑いが漏れた。

少しだけ自己嫌悪──。




「ひゃはっ、コウでも怒んだなー！！」

「……うるせーな」


リクが陽気にタバコを加えるから、ギロリを睨み付けたが効果はもちろん無い。


煽ってきたのは明らかに彼女の方だとしても、女に怒鳴るなんて情けない。

いや、もちろん俺だって怒る事もあるけど……。



「コウは怒ると黙り込むタイプなのになー」

「だーから、うるせーってば」

「元カノと別れた時だって」

「ほっとけよ」


そう。リクの言う通りで、自分でも珍しいと思う。