40歳88キロの私が、クールな天才医師と最高の溺愛家族を作るまで
見た目のせいで、男子にからかわれた歴史なんか、まだ可愛い。

学校でも、就活でも……さらには就職先でも、私は常に区別されてきた。
見た目がいい人と、そうではい人、という括りで。

能力ができる人、できない人は、見た目がいい人の中からさらに区別される。
どんなに努力を重ねても、見た目というフィルターによって、同じ努力をしてきた人にあっという間にポジションを取られたことも、1度や2度ではない。
結果的に、私は仕事を失い、極貧生活を送らなくてはいけなくなったという過去もある。

「見た目で全てを決めるな」

何度、心から叫びたくなった事か。
だけど、結局人は、見た目でフィルターをかけた後に、じっくりと中身を選ぶことを好む。
その方が、効率的と考えている人がこの世の中を支配している。

私は、そんな強烈な洗礼を浴び続けて生きてきた。
だから考えて、考えて、そして考えて行動をした。
生物として、この世に私が存在し続けるためには、どうすれば正解なのか。

……そしてわかった。
この負のスパイラルから逃れるには、スキル獲得しかない、と。

生きるためには、お金が必要だ。
お金を稼ぐのに最も簡単なのは、人が絶対的に欲しいと考える、スキルを手に入れること。
それに気づいた私は、血を吐くような思いをした。
スキル獲得を優先させるため、私は女磨きを捨てた。
その結果、スキルUP以外の生き方の可能性を限りなく0にした。

でも、後悔はない。
だって、今私は、それなりな幸せを手に入れたから。
お金も、そして心の強さも。
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