悪役令嬢ですが、なぜか婚約者に溺愛されていて断罪されません!
第3章 甘やかしたい婚約者


誕生日まであと2日。パーティーの準備でわたくしの家はバタバタしている。


唯一、ひとつの部屋を除いて……。



「レティ、明後日はどんなドレスを着るの?」



ワクワクした顔を隠さずに聞いてくるトーマ様。

ドレスを聞いてどうするつもり?

――まさか、サラ様に同じドレスを着させるとか?


でも1日でドレスの用意はできないはずだ。

既製品ならまだしも、わたくしの用意したドレスは、お抱えのデザイナーが考えたオーダーメイドだ。

それを用意するなんてできるはずがない。


リオの記憶でも、同じドレスは着ていなかったしさすがにそこまではしないだろう。


たしか、サラ様が着ていたのは白地に髪と同じ色の小花が散りばめられているドレスだったはず。

優しさ全開、誰にでも好かれるタイプだ。


わたくしのドレスを着たとしても似合うとは思えない。


なら言ってもいいか……。

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