愛してしまったので離婚してください
今日は午後に検診がある。
一週間に一度の受診では赤ちゃんの状態よりも私のお腹の腫瘍の大きさの経過観察という目的の方が大きかった。

腫瘍か血腫か、脂肪のかたまりか、もしくはそれ以外かと医師は予想をしていたけれど、血液検査の結果やこの1か月の経過観察で、血腫ではないだろうということが判明した。
そして、がん患者も高くなるという血液中の成分の数値が高く、腫瘍で間違いはないだろうと断定されてしまった。

覚悟していた。

毎日お腹に触れながら、まだ変化のないお腹よりも、日に日に触れると大きくなっているように感じる違和感に・・・覚悟を決めなくてはと自分に言い聞かせていた。

大丈夫と言い聞かせたい自分の心と、ちゃんと最悪を想定した準備をしなくてはという冷静な自分がいつだって心を支配している。

そんなときはお腹に触れながら目を閉じて、思い出す。
雅のことを・・・。

大丈夫。大丈夫。大丈夫。
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