今までどうやって寝ていたのだったか。
ついさっきまで感じていた眠気は、もうすっかり遠くへ逃げ去っていて、今はただ悶々と息を潜めている。
軽い運動をして、ごはんを食べて、ほどほどに眠気を覚えたところでベッドに押し込まれるまでは良かったのだ。
大きな天蓋つきベッドは、ケイトが眠るには大きすぎるくらいだったけれど、王城で見たベッドもこんな感じだったから、そういうものだと思っていた。
ベッドに押し込まれて、母親が子どもにするみたいに毛布をかけられて。
おままごとの延長かな、なんて微笑ましく思っていたら、ケイトは固まった。
去るはずのベルが、目の前でゴソゴソと毛布に潜り込んでいた。
数枚重なった毛布を顔の周りに寄せ集めて、頬擦りをしている彼女と目が合う。