ゴミ溜めの森(ホーディング・フォレスト)にある湖では、イカが釣れる。

 湖なのにイカが泳いでいて、釣れるのである。

 本来イカは、海にいるものだ。

 湖には、いない。

「すごいな……」

 釣れたイカをマジマジと見つめながら、ケイトは「ほぅ」と感嘆の息を吐いた。

 珍味を釣る気満々で湖へやってきたケイトだったが、まさかイカが釣れるとは思ってもみなかったのだろう。

 その顔は、鳩が豆鉄砲を食ったようである。

 湖でイカが釣れるなんて、彼の常識では考えられないことだ。

 しかし、ここは地の国で、さらに言えばなんでもありのゴミ溜めの森である。

 ケイトの常識なんて、ちっぽけなもの。

 深く考えるだけ無駄というものだ。