地の国の外れに、ゴミ溜めの森(ホーディング・フォレスト)と呼ばれる場所がある。

 天の国から人の国へ、人の国から地の国へと落ちてきた、いわゆる残りかすのようなものが集まるカオスな場所だ。

 死を悟った魔獣が最期に向かう場所でもあるので、魔獣の墓とも呼ばれている。

 このたびベルは、基本的には平和主義な魔王のお沙汰により、勇者を食べてしまった(らしい)罪でここへ追放されることが決まった。

 もともと、捕らえた勇者は地の国について勉強させたあと、人の国へ送り返すつもりだったらしい。

 魔族は人に対して敵意などない。それさえわかれば、勇者派遣などという面倒な伝統行事を改めるだろうと、そういう思惑があったようだ。

 ついでに人の国の食べ物を融通してくれるよう交渉できないかなぁという、魔王の思惑が若干見え隠れしていたような気がしないでもない──とベルは思っている。