「塩辛、という料理……というか、食品がある」
「シオカラ……聞いたこともないな」
「ほら見ろ。不勉強はそちらじゃないか」
「察するに、人の国の食品だろう。ベルじゃあるまいし、俺が知るわけがない」
ドーンと。ルシフェルは開き直った。
(開き直ったよ、この魔族!)
エッヘンと偉そうに両腕を組んで立つルシフェルに、ケイトは脱力した。
堂々とし過ぎていて、ツッコむ気にもならない。
なんだか、近所のガキ大将を相手にしている気分だ。
細かいことを突っ込んでも無駄だな、とケイトは早々に諦めることにする。