「だけどわたしが食べちゃったから、その計画(ケーカク)がパァ。バツとして、追放(ツイホー)されるというわけね」

 ゴミ溜めの森行きの馬車の中で、ベルは肩をすくめた。

 向かいの席では、唯一ついて来てくれたメイドのレティが、隠しきれない好奇心を視線に(にじ)ませている。

「でも、姫さま。本当にお食べになったのですか? その……勇者様を」

 レティは恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、もじもじと大きな尻尾をもてあそんだ。

 リス獣人と魔族のハーフである彼女は、抱き枕にもできるフワフワの大きな尻尾とパッチリとした目が愛らしい少女である。

 魔王城に侵入して畑を荒らしていたところを捕獲したのだが、実に良い拾いものだったとベルは思っている。