パチパチと油がはねる。

 ケイトはカラリと揚がったイカのリングフライを網に上げ、油切りをしてから皿に盛った。

 コトン。

 小さな音を立てて、イカのリングフライを盛った大皿がテーブルへ置かれる。

 そこにはすでにたくさんの大皿が、ドドンと勢揃いしていた。

「よし」

 外したエプロンを、自分の定位置である椅子の背へ掛ける。

 簡単に身なりを整えたケイトは、ベルと自分の部屋の前へ立った。

 その時ふとケイトは、目の錯覚が起こしたいたずらな光景を思い出した。

 ベルが成長したらああなるのだろうなと、思わず納得してしまうような女性の姿。

 あれはきっと、ケイトの願望が生み出した錯覚なのだろう。

 子どもじゃなかったら……と。

 そう思うケイトの邪な気持ちが、見せたに違いない。