「ケイト、ケイトってば! ケイオン様とボルグ様は、あなたの仲間なのでしょう⁈ 危険を冒してまであなたを迎えに来たのに、どうしてあんな態度を取るの」
無理やり転移されたと思ったら、今度は沈黙。
だんまりを決め込むケイトに、ベルはイライラと言葉を投げかけた。
わけがわからない。
だって、ケイトは人の国へ帰るつもりだったはずだ。
本人に直接聞いたわけではないけれど、ベルがそろえた証拠はそうだと告げている。
(それなのに、迎えに来てくれた仲間を冷たく拒絶したのは、なぜ?)
ケイトなら、やんわりと断る術を持っていたはずだ。
だけどベルの目には、彼が必要以上に、わざと傷つけるような言い方を選んでいるように見えた。