とりあえず片っ端から食べていかないといけないだろう。

 全部は無理でも、せめて半分くらいは。

(それができなきゃ、暴食姫の名が廃るというものだわ!)

 タイミング良く、馬車が止まる。

 送ってくれるのは森の前まで。

 ここから、ベルとレティの新しい生活が始まるのだ。

「姫さま、準備はよろしいですか?」

「ええ、もちろんよ」

 馬車を降りると、鬱蒼(うっそう)とした森が広がっていた。

 遠くから聞こえる奇怪な鳴き声に、ベルはうっとりと目を細めた。