ケイトは自分からキスをしてきたくせに、恥ずかしいらしい。

 ぱち、と視線が絡んだ瞬間、本音を隠すように、再び唇を覆ってフイッと顔を逸らしてしまった。

 かわいいけれど、ちょっと無視されたみたいでムカッとしたベルは、切り株から立ち上がると、そっとケイトの隣へ腰を下ろした。

 ぴったり隣に座るのはまだ早い気がして、それでも離れるのはなんだか寂しくて、少し手を伸ばせばすぐに触れられる距離に座る。

 ケイトはしばらくベルの手を意識してチラチラと視線を寄越していたけれど、なんにも言わずにじっと待っていたら、諦めるみたいに空を見上げてしまった。

(ヘタレめ)

 そう思うけれど、それだけじゃないことをベルは知ってしまった。

 ケイオンとボルグの前から連れ去られた時の、彼の強引さ。はじめて見た一面に恐怖を感じたけれど、同時に男らしさを垣間見て意識してしまったのも事実である。