「みぃつけた!」

 山の中腹にゴロリと横たわる(たる)を見つけて、ベルはパチンと手をたたいた。

 満面の笑みで目を輝かせながら、「うんしょ、うんしょ」と山をよじ登っていく。

 その道のりは決して平坦(へいたん)ではないのに、彼女はものともしない。

 まさに猪突猛進、それしか見えていないといった様子である。

 到着したベルは、「よっこいしょ」と掛け声とともに樽を起こした。

 ピチャンと液体が動く音がしたかと思うと、次の瞬間、樽からとんでもない激臭が漏れる。

「ひゃっ」

 ベルは慌てて、飛び退った。