「危ないから、そこで見ていて」

「はいっ!」

 ベルの忠告に、レティはコクコクと殊勝に頷いた。

 熱を帯びたレティの視線に首をかしげつつ、危なくないように彼女の周囲へ保護魔術をかけながら、ベルはゴミ溜めの森(ホーディング・フォレスト)へと近づいていく。

 ゴミ溜めというからには悪臭がしそうなものだが、森は至って普通だった。

 どこの森でも感じるような、青々とした緑の匂いと木々の匂い。それが、そこかしこに漂っている。

「地の国にしては瘴気(ショーキ)が薄いなぁ。天の国のものが落ちてくるせいで浄化(ジョーカ)されているのかしら?」

 見上げれば、空にはポッカリと穴が空いていた。

 ウニョウニョと不安定に、大きくなったり小さくなったりを繰り返している。