「それで? どうしてあなたはこんなところ……ゴミ溜めの森(ホーディング・フォレスト)にいたの?」

 気遣うようにゆったりとした口調で問いかけてきた彼女に、男は一瞬息を飲んだ。

 フラッシュバックを起こしたように、男の脳裏に映像が浮かぶ。

 半地下の牢の中。

 天井近くにある窓からは、シトシトと振る雨の音が聞こえている。

 男は捕らえられ、牢に入れられていた。

 金の髪に、青の目。神の祝福を受けた証を持つその男──ケイトは、魔王討伐のため、勇者として仲間とともに地の国へやって来て、圧倒的な力の差を前にして、なす術もなく敗北した。

 そして、ケイトは仲間を逃がす代わりにただ一人魔王城へ残り、囚われの身となったのだが……。